Code with Claude 2026 全発表まとめ|Routines・Code Review・東京6/10開催
- Claude CodeをProまたはMaxプランで使っている開発者
- Anthropicの開発者向けイベントや新機能の動向を追っているエンジニア
- 6月の東京開催への参加を検討している方
「今日見ているものはすべて、今でも魔法のように感じる。自分がClaude Codeを毎日作っているのにも関わらず」
Claude Code責任者のBoris Cherny氏がそう語ったのは、2026年5月6日のサンフランシスコだ。Anthropicの開発者カンファレンス「Code with Claude 2026」の会場でライブデモを走らせながら発したこの言葉が、会場の空気を変えた(出典:Simon Willison, Live blog: Code w/ Claude 2026、2026年5月6日)。
同じ日、Qiitaに投稿されたエンジニアの感想がタイムラインを流れた。「Routinesで夜中にPR溜まってて、朝起きたら全部レビュー済みだった。これ人間のレビュアーより速い」。別のエンジニアはZennで書いている。「Code Reviewの1件25ドルは高い。でもSeniorエンジニアの1時間と比べたら安い」。
イベントが発した答えは、質より量でも速さより正確さでもなく、「開発者の時間をどこに使うか」という問いへの再定義だった。
Code with Claude 2026 とは何か
Code with Claude 2026はAnthropicが主催する開発者向けカンファレンスで、今年で第2回目となる。2026年の開催地は3都市に拡大された。
- サンフランシスコ: 2026年5月6〜7日(当日の申し込み需要が想定超えで翌日も追加開催)
- ロンドン: 2026年5月19日
- 東京: 2026年6月10〜11日
基調講演に立ったのはAnthropicのCPO(最高製品責任者)Ami Vora氏。今年初めにMike Krieger氏の後任として就任したばかりだ。彼女はストライプのScott MacVicar氏のチームや、Binti(養子縁組支援SaaS)のFelicia Curcuru氏のチームを例に挙げ、「今日は製品を皆さんのためにより良く機能させることについて話します」と切り出した(出典:Opening keynote session, Code w/ Claude 2026、2026年5月6日)。
イベントの構成は3トラック。Research(Anthropicの研究方向)、Claude Platform(API・SDK・エージェント基盤)、Claude Code(コーディングエージェント)だ。昨年と異なるのは規模だけでなく、発表内容が「機能紹介」ではなく「実際の運用例」に重心を置いていた点だ。API使用量が前年比17倍に成長したという数字が背景にある(出典:Highlights from Anthropic’s Code w/ Claude 2026 Conference, Artiverse、2026年5月7日)。
5大発表を詳解
1. Claude Code Routines — 「寝ている間にPRが溜まる」自動化
Routinesは2026年4月14日にResearch Previewとして先行公開されていたが、Code with Claudeで改めて正式展開された。Boris Cherny氏が「高次のプロンプト」と呼ぶこの機能の核心は、Claude Codeのタスクをクラウドで自律実行できる点だ(出典:Introducing routines in Claude Code, Anthropic公式ブログ、2026年4月14日)。
ルーティンには3種類のトリガーがある。
- スケジュール: 毎日・毎週・平日など指定時刻に実行
- APIトリガー: 専用エンドポイントへのHTTPリクエストで起動
- GitHubイベント: PRのオープン・更新などに連動
実行はClaude Codeのクラウドインフラ上で動くため、自分のマシンを起動したままにする必要がない。BacklogのトリアージからCI失敗の自動修正まで、定型的な作業を夜間バッチで処理できる。
2. Code Review — チーム全員にシニアレビュアーを
Code Review(2026年3月リリース)もCode with Claudeで広く紹介された。複数の専門エージェントがPR全体をコードベース文脈ごと検査し、GitHubにレビューコメントを直接投稿する仕組みだ。
Anthropic社内での導入実績は具体的だ。実装前はPRの16%しか実質的なレビューコメントが付かなかったが、導入後は54%に上昇した。1,000行超の大型PRでは84%のPRで問題が検出され、平均7.5件の指摘が入る(出典:Code Review, claude.com、2026年3月)。
Boris Cherny氏はXに書いた。「コード生産量が今年200%増えて、レビューがボトルネックになっていた。Code Reviewがそれを解消した」(出典:Boris Cherny on X、2026年3月)。
料金はAPIトークン従量制でPRあたり15〜25ドル程度。Claude for TeamsまたはClaude for Enterpriseが必要となる。
3. Claude Managed Agents 新機能 — 「夢を見るAI」と成果物指定
Managed Agentsに3つの新機能が追加された。
Multi-agent orchestration(公開ベータ)はエージェントの群れをCoordinated Fleetとして管理する仕組み。複数のClaudeエージェントが並列で動き、オーケストレーターが役割分担と結果統合を担う。
Outcomes(公開ベータ)は成功基準をあらかじめ定義する機能だ。「テストが全部通る」「ドキュメントのカバレッジが90%を超える」という形でゴールを設定し、エージェントが自律的に達成を試みる。
Dreaming(Research Preview)は最も話題を集めた機能で、エージェントが過去のセッション記録を夜間に読み返し、矛盾を解消・新しい洞察をメモリに書き戻す。人間の睡眠中の記憶整理に着想を得た設計だ(出典:New in Claude Managed Agents, Anthropic、2026年5月6日)。
4. SpaceX Colossus 1 契約 → レートリミット倍増
カンファレンス当日、Anthropicはもう一本のニュースを重ねて発表した。SpaceXのデータセンター「Colossus 1」(メンフィス、NVIDIA GPU 22万基超、300MW超)の計算資源を全量確保するという契約だ(出典:Anthropic, SpaceX Sign Deal, Bloomberg、2026年5月6日)。
この供給増加を即座に利用者に還元する形で、Pro・Max・Team・Enterpriseのレートリミットが即日倍増した。ピーク時間帯の制限も廃止され、Claude Opus系モデルのAPIレートも「大幅引き上げ」とされている。
5. Remote Control / CI Auto-fix — 電話でラップトップを操作
Remote Control機能はclaude.ai/codeとモバイルアプリ(iOS・Android)からローカルのClaude Codeセッションを遠隔操作できる仕組みで、会議中にスマートフォンでエージェントに指示を出し続けることができる。
CI Auto-fixはプルリクエストのチェック失敗を検知して自動で修正ファイルをコミットする機能。「赤いCIを見る前に修正済みPRが届く」状態を作り出す(出典:Highlights from Code w/ Claude 2026, Artiverse、2026年5月7日)。
開発者の本音 — 光と影
使っている側の声
AI研究者Ethan Mollick氏(Wharton School)は自分の体験をこう記した。「『月1000ドルを稼ぐスタートアップアイデアを開発して。作業は全部あなたがやって』と指示したら、3つの質問の後に1時間14分自律で動き続け、動作するウェブサイトをデプロイした」(出典:Ethan Mollick, OneUsefulThing、2026年)。
AIの先駆者Andrej Karpathy氏は正直に打ち明けた。「エンジニアとしてこれほど取り残された感覚を覚えたことはない。マニュアルなしで配布された強力な異星のツールを渡された感じがする」(出典:Strayspark Studio, Claude Code coverage、2026年)。
6ヶ月間毎日使い続けたDev.toライターのJoshua Idunnu氏はこう書いた。「カスタムコマンド・フック・GitHub連携の3つを知るまで、自分は半分しか使えていなかった」(出典:Joshua Idunnu, Medium、2026年3月)。
批判と懸念
一方で摩擦も現実だ。Reddit(500人超の開発者を対象にしたDev.to調査)では「Claude Codeは品質が高いが、使い続けられない。Codexは品質でやや劣るが現実的に使える」という評価が多数派だった(出典:DEV Community developer survey、2026年3月)。
Mediumライターのデイビッド・リー氏は手加減なく書いた。「Claude Codeは実装には優れている。ただし監視なしで任せられるものではない」(出典:David Lee, Medium、2026年)。
Code Reviewの25ドル/件という料金も議論を呼んでいる。ハイボリュームで開発するチームにとっては月次コストが急増する計算になる。Boris Cherny氏自身も会場でこう述べている。「これは多くの人に痛みを伴う変化だ。早めに実験し、好奇心を持ち続け、状況が安定するのを待ちたい衝動に抵抗してほしい」(出典:Simon Willison liveblog、2026年5月6日)。
品質劣化騒動もあった。2026年2〜4月にClaude Codeが「怠けるようになった」と感じる報告がRedditとGitHubに相次ぎ、Anthropicは4月23日に公式ポストモーテムを公開した。原因は3つの変更(推論強度のデフォルト引き下げ、キャッシュバグ、詳細度削減プロンプト)の重なりで、4月20日時点でいずれも修正済みだという(出典:Anthropic Engineering Postmortem、2026年4月23日)。
日本の開発者へ — 東京開催は6/10
Code with Claude 2026の東京イベントは2026年6月10〜11日に開催される。現地参加の登録はすでに締め切られているが、ライブストリームは無料で登録できる(claude.com/code-with-claude/tokyo)。セッション録画もイベント終了後に公開予定だ。
登壇予定スピーカーはサンフランシスコと共通で、Ami Vora(CPO)、Boris Cherny(Head of Claude Code)、Angela Jiang(Head of Product, Claude Platform)が顔をそろえる。現地では1対1のオフィスアワーでAnthropicエンジニアに直接質問できる機会がある。
日本語コミュニティでも関心は高い。Qiitaには「Claude Codeに指示だけでWebゲームをリリースした。初回コミット1,715行、自分で書いたコードは数行」という記事が注目を集め(出典:tawasi12, Qiita、2026年)、Zennでも「3ヶ月使った正直な感想」シリーズが読まれている。東京会場はその熱量が一堂に集まる機会になるだろう。
- サンフランシスコ: 2026年5月6〜7日(終了)
- ロンドン: 2026年5月19日(ライブストリーム登録受付中)
- 東京: 2026年6月10〜11日(現地は締切済み、ライブストリーム無料登録可)
- セッション録画: 各イベント終了後に公開予定
- 登録先: claude.com/code-with-claude/tokyo
Claude Codeを試してみたい方は、まずClaude Codeの公式ドキュメントから始めると良い。RoutinesやCode ReviewはTeams・Enterpriseプランが必要だが、Claude Codeそのものは$20/月のProプランから利用できる。
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本記事の情報は2026年5月8日時点のものです。料金・機能・イベント詳細は変更の可能性があるため、最新情報はAnthropicの公式サイトでご確認ください。