Copilotの2倍、9割が毎週使う:JetBrains 1.5万人調査が示すAIコーディングの現在地
「3,000行超えのリファクタリングを1週間かけてやった。Copilotは関数単位で詰まったけど、Claude Codeは1セッションで終わらせた」。Hacker Newsのスレッドにこう書き込んだのは、米国のバックエンドエンジニアだ(Heise Online, 2026年8月)。
この感覚は、今や統計になった。JetBrainsが2026年8月に公表した「Developer Ecosystem Survey 2026」(調査期間:2026年5月〜7月)では、15,509人の開発者のうち39%がClaude Codeを業務で使っていると回答した。GitHub Copilotの21%のおよそ2倍だ(JetBrains Blog, 2026年8月)。
- GitHub CopilotからClaude Codeへの切り替えを検討しているエンジニア
- 開発チームのAIツール選定を担当するエンジニアリングマネージャー
- AIコーディングツールの市場動向を把握したいCTO・テックリード
Claude Code 39%、Copilot 21%:半年で業界地図が塗り替わった
今年1月のJetBrains AIパルス調査では、Claude Codeの業務利用率は18%だった。それが5〜7月調査で39%に跳ね上がった。わずか半年で21ポイントの上昇。競合のGitHub Copilotは同期間で29〜31%から21%へと下落している(JetBrains Blog, 2026年8月)。
地域別では米国での浸透が著しく、Claude Codeは47%に達する。ほぼ2人に1人の開発者がAnthropicのツールを業務で使っている計算だ。Cursorは18%で横ばいが続いており、「Claude CodeとCopilotの二極化」が鮮明になりつつある。
注目すべきは満足度だ。Claude CodeのCSATは91%、NPS(顧客推奨指数)は54で、いずれもAIコーディングツールカテゴリで最高水準(Claude Code Usage Statistics 2026, serpsculpt.com)。一方、GitHub CopilotのNPSは一桁台という分析もある。数字の開きは、単なるシェアの差ではなく「使い続ける理由の差」を示している。
9割が週次、6割強が毎日。エージェントAIは既に日常に
「90%の開発者がAIコーディングエージェントを週に1回以上使っている。68%は毎日だ」。今回の調査で最も衝撃的なのはこの数字かもしれない。
JetBrainsが同時公開した「How Much Code Do Developers Really Let Agents Write?」レポートでは、さらに踏み込んだ実態が明らかになった。半数以上の開発者は、自分のコードの80%以上をAIエージェントが生成している状態だ。そして5人に1人は、AIなしでは「ほぼコードを書かない」(JetBrains Blog, 2026年8月)。
Claude Codeを主力ツールとして使う開発者に限れば、80%超をエージェント生成するとした割合は32%に達する。「コードを書く」という行為の定義が変わりつつある。あるX(旧Twitter)ユーザーはこう投稿した。「今の自分の仕事は、エージェントが出力したコードを読んで判断する仕事だ。書いてるというより、レビューしてる」(X, 2026年8月)。
Copilotはなぜ失速したのか
MicrosoftはAIコーディング分野でGitHub Copilotを旗艦製品として位置づけてきた。しかし2026年5月、自社のExperiences & Devices部門(Windows・Microsoft 365・Outlookを開発する部署)がClaude Codeのライセンスを打ち切り、GitHub Copilot CLIへの移行を求めた事実が報じられた。自社AIツールへの移行を指示した際に、エンジニアから「でも自分はClaude Codeの方が生産性が上がる」という声が上がるという皮肉な構図だ(The Next Web, 2026年5月)。
この「組織が選ぶツール vs. 開発者が選ぶツール」という分断が、Copilotのシェア低下の本質だ。企業契約でCopilotが一括導入されても、個人プロジェクトや副業ではClaude Codeが選ばれる。JetBrainsの調査でも、Copilotの「知名度」は79%と依然高いが、「実際に使っている率」が21%に留まる。知名度と採用率のギャップが、現在のCopilotの立ち位置を正確に示している(JetBrains Blog, 2026年8月)。
Redditのr/ExperiencedDevsでは「Copilotは上司が入れてくれたツールで、Claude Codeは自分で課金してるツール。どっちを信頼するかは明らか」というコメントが多数の支持を集めた(Reddit, 2026年8月)。
光と影:39%が抱えるリスク
数字が示す急速な普及には、裏側のリスクも伴う。
第一のリスクはコストだ。UberはClaude Codeを全エンジニア約5,000人に展開した結果、2026年の年間AI予算を4ヶ月で使い切った。エンジニア1人あたりの月額コストは平均150〜250ドル、ヘビーユーザーは500〜2,000ドルに達した。GitHub CopilotのようなシートAI(月額19〜39ドル固定)と異なり、Claude Codeはトークン従量課金のため、採用率が上がるほど指数的にコストが膨らむ。
第二のリスクはスキルの空洞化だ。「5人に1人がAIなしでコードを書かない」という状況が加速すると、エンジニア個人がコードの品質を判断する能力の劣化を懸念する声がある。Hacker Newsでは「エージェントが書いたコードのバグを見つけるには、そのコードが書けるだけの知識が必要だ。でも今の新人はそのトレーニングをスキップしている」という議論が繰り返し浮上する(Hacker News, 2026年)。
第三のリスクは過信だ。Gartnerは「2027年までに、エージェントAIプロジェクトの40%以上がキャンセルされる」と予測している。ROIが不明確なまま導入だけが進む現象は、調査データの楽観的な数字と企業の現実の間にある溝だ(Gartner, 2026年)。
それでも数字は正直だ。1月に18%だったClaude Codeの採用率が、7月に39%になった。この7ポイント/月の上昇を維持するなら、年末には60%を超える計算になる。業界全体の変化速度は、個々の企業が予算や教育体制を整備するスピードをはるかに上回っている。JetBrainsの調査が映すのは、現在のAIコーディング市場が「試行期」から「普及期」へと移行したという事実だ。次のフロンティアは、どのツールを使うかではなく、いかにコントロールするかにある。
- 調査規模: 15,509人(2026年5〜7月実施、10年連続シリーズ)
- Claude Code業務利用率: 39%(1月の18%から+21ポイント)
- GitHub Copilot業務利用率: 21%(前期の29〜31%から下落)
- AI週次利用率: 90%(毎日利用は68%)
- AI生成率80%超: 半数以上の開発者が該当
- Claude Code CSAT / NPS: 91% / 54(業界最高水準)
- 米国でのClaude Code利用率: 47%(全体平均の1.2倍)
AIコーディングツールの選び方と最新動向
Claude Codeの急拡大は統計で確認された。ただし月額コストや依存リスクとのバランスが今後の焦点になる。以下の関連記事で判断材料を補おう。
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免責事項: 本記事に含まれる調査データ(利用率、NPS等)はJetBrains社が公表した調査結果に基づきます。数値は調査時点のものであり、現在の状況と異なる場合があります。本記事はAIツールの購入・利用を推奨するものではありません。