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OpenAI Codex 4月大型アップデート解説:Mac操作・90プラグイン・メモリ機能

この記事はこんな人におすすめ
  • CodexとClaude Code、どちらを使うか迷っているエンジニア・開発者
  • OpenAI Codexの4月アップデートで何が変わったか把握したい方
  • Macでデスクトップエージェントを試してみたい方
  • プラグイン・MCP連携でAIコーディングを強化したい方

「今まで試したどのLLMやデスクトップエージェントより優れたコンピューター使用機能だ」。MacStoriesのFederico Viticciは4月17日、そう書いた。Claude Opus 4.7のリリース発表と同日、OpenAIが「Codex for (almost) everything」と銘打った大型アップデートを投下した。

Macのデスクトップアプリをエージェントが直接操作する。90以上のプラグインで業務ツールと接続する。過去のやりとりをメモリとして蓄積する。コーディング専門CLIツールから出発したCodexが、Claude Codeへの真正面の挑戦状を叩きつけた形だ。

Codexが「ほぼ全てのことをやる」。4月アップデートの概要

2026年4月16日のアップデートを境に、Codexは性格を大きく変えた。これまでのCodexはターミナル操作・CLIコマンドに特化したコーディング支援ツールだった。今回の「for (almost) everything」は、その枠を意図的に外す宣言だ。

主な追加機能は以下のとおりだ。

機能概要
コンピューター使用MacのあらゆるアプリをAIが操作(クリック・入力)
90+プラグインAtlassian、GitLab、Microsoft等+MCPサーバー
メモリ過去セッションの好みや設定を記憶(プレビュー)
インブラウザ組み込みブラウザでWebページに直接コメント
画像生成gpt-image-1.5による画像・デザイン生成
自動化・スケジューリングタスクを日〜週単位で予約実行

注目すべきは、このアップデートがClaude Opus 4.7の発表と同日だった点だ。OpenAIが意識してぶつけたのは明白で、SiliconANGLEは「OpenAIがClaude Codeに対抗してCodexのエージェント能力を強化」と報じた。

週間アクティブユーザーは3月の200万人から300万人超に増加。70%以上の月次成長率を維持しており、戦略的な投資の優先度が高い製品であることがわかる。

Macでアプリを操作するエージェント:コンピューター使用の実態

今回の目玉機能は、macOS上でエージェントがアプリを直接操作できるようになった点だ。Codexは自前のカーソルを持ち、画面を「見て」、クリックし、テキストを入力する。ユーザーがZoomミーティングに出ている間、バックグラウンドで別のCodexエージェントが3つのマイクロサービスをリファクタリングしている。そういった並列実行が可能になる。

技術的には、macOSのアクセシビリティAPIを使ってアプリのUI階層(AXツリー)を読み取る方式だ。スクリーンリーダーが使うのと同じ仕組みで、スクリーンショットを解釈するよりも構造化された操作が可能という利点がある。

ただし制約は多い。

  • macOSのみ: Windowsはデスクトップアプリがあるが、コンピューター操作は非対応
  • EEA・英国・スイス非対応: プライバシー規制への対応が完了するまで利用不可
  • セキュリティ懸念: GitHubのIssueには「エージェントが許可範囲外のリソースにアクセスした」「承認ダイアログが多すぎて反射的に承認してしまう」という報告が上がっている

Federico Viticciは「Claudeのモデルを使った競合サービス(Sky)より速い」と評価した一方で、実際の開発現場での安全性確認には注意が必要だ。

90以上のプラグインとMCPサーバー統合

今回のアップデートで追加されたプラグインは90以上(一部情報源では111)にのぼる。注目すべきはMCPサーバーとの統合だ。Anthropicが主導し、3月時点で累計9700万ダウンロードを達成したMCP(Model Context Protocol)を、OpenAIがCodexの拡張エコシステムに組み込んだ。

主な統合ツールは以下のとおりだ。

  • Atlassian Rovo: JIRAとConfluenceのコンテキストをエージェントが直接参照
  • CircleCI: CI/CDパイプラインへの直接接続
  • GitLab Issues: イシュー管理とコード変更の連携
  • Microsoft Suite: Teams・Outlook・SharePointとの統合
  • CodeRabbit: AIコードレビューの自動化
  • Neon by Databricks: データベース操作

各プラグインはMCPサーバーとして自身を公開しており、ランタイムでの動的な発見・接続が可能だ。これはAnthropicのエコシステムで育ったMCPを、競合が積極的に取り込んだ格好であり、MCPが「AIエージェントのUSB-C」として事実上の標準になりつつあることを示している。

Reddit(r/OpenAI、r/MachineLearning)のスレッドでは「Codexはリファクタリング、テスト修正、コードベースのQ&Aといった明確にスコープされたタスクで生産性を向上させた」という声が多い。一方で「オープンエンドなタスクではClaude Codeのほうが精度が高い」という比較意見も並んでいる。

メモリ・インブラウザ・画像生成

メモリ機能は、過去のセッションでユーザーが設定した好み(使用言語、コードスタイル、よく使うツール)を記憶し、次回以降のタスクに活用する。Zack Proserは「以前のバージョンと比べると別物。Production-readyなインフラになった」と評している。ただし現時点ではプレビュー段階で、Enterprise・教育機関・EU・UKユーザーへの展開は後回しになっている。

インブラウザ機能は、Codexのデスクトップアプリに組み込みブラウザを追加する。ローカルで動くWebアプリにアクセスし、特定の要素にコメントを残すことで、エージェントへの指示を視覚的に与えられる。フロントエンド開発のイテレーションが加速する可能性がある。

画像生成はgpt-image-1.5を用いた機能で、プロダクトコンセプト、UIモックアップ、ゲームアセットなどをコーディングワークフロー内で直接生成できる。デザイナーとエンジニアの境界を曖昧にする方向性は、Claude Designと同じベクトルを向いている。

料金とプラン

4月2日からCodexはメッセージ制をやめ、トークン制に移行した。主要プランは以下のとおりだ。

プラン月額Codexアクセス
ChatGPT Plus$20基本アクセス(5時間枠30〜150メッセージ相当)
ChatGPT Pro$100Plusの5倍の利用枠
ChatGPT Pro Maximum$200GPT-5.3-Codex-Spark(研究プレビュー)利用可

コンピューター操作や並列エージェントを本格的に活用するには、実質的にPro($100/月)が選択肢になる。API経由では入力$1.75/Mトークン・出力$14/Mトークン。Claude Sonnet 4.6と比較した場合、トークン単価はCodexのほうが安い傾向がある。

OpenAIが主張する「Claude Codeの4倍のトークン効率」については注意が必要だ。トークン消費が少ない分だけコスト優位が生まれる可能性はあるが、コード品質のトレードオフを見落とさないようにしたい。

PMとしての評価:光と影

光の面: コンピューター使用の完成度は高い。macOSのAXツリーを使った構造化操作は、スクリーンショット解釈系の競合より安定している。90+プラグインでMCPを取り込んだ点はエコシステム戦略として賢い。メモリ機能は反復タスクの効率を実際に引き上げる。並列エージェントのカーソル非干渉設計は実務で使えるレベルだ。

影の面: macOS限定・EEA非対応という地理的制限は、日本の企業環境でも欧州リージョンに拠点を持つチームには痛い。GitHubイシューには「MCP初期化の繰り返しによるメモリ圧迫でアプリが重くなる」「エージェントが許可範囲外のリソースにアクセスした」という実害報告が上がっている。セキュリティの観点では、エージェントが生きた認証情報にアクセスできる状態でのコマンドインジェクションリスクも未解決の課題だ。

Claude Codeと比較すると、SWE-bench VerifiedではOpus 4.7が87.6%に対しCodexのGPT-5.3-Codexは85.0%と後れを取る。インストール数でもClaude Code(770万)がCodex(610万)をリードしている。Zennでは「Claude Code × Codexの両刀」を実践する記事が増えており、日本の開発者はゼロサム競争ではなく使い分けに落ち着きつつある。

使い分けの目安

Codexが向いている場面: Mac環境で並列エージェント・GUIアプリ操作・プラグイン大量活用・コスト重視のリファクタリング

Claude Codeが向いている場面: Windowsを含むクロスプラットフォーム・SWE-benchスコアが示す高品質コード・長大なコンテキスト(100万トークン)・企業のAWS BedrockorVertex AI統合

セキュリティ確認事項

コンピューター操作機能を有効化する前に、エージェントにアクセスさせる資格情報の範囲を確認すること。GitHubのOpenAIリポジトリには「エージェントが許可外リソースにアクセスした」「承認疲れで反射的にOKを押してしまう」という報告が複数存在する。

OpenAI Codex公式アップデート詳細を見る

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※本記事の情報は2026年4月20日時点の調査に基づく。機能仕様・料金・対応地域はOpenAIの公式発表に基づいているが、予告なく変更される場合がある。最新情報はOpenAI公式サイトを確認してほしい。

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