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Code with Claude Tokyo 2026 レポート: Fable 5基調講演とF1デモが示した次世代エージェント

「Fable 5 は自分以上に信頼している」。Sompo Japan DXのエンジニアが2026年6月10日にZennへ投稿した現地レポートのタイトルがCode with Claude Tokyo Day1のムードを一言で言い当てていた(Zenn, 2026年6月)。前日リリース直後のClaude Fable 5の初ライブデモが東京の会場を埋め尽くした開発者の前で展開され、「モデルがどれだけ賢いか」ではなく「エージェントをどう設計し、動かし続けるか」に話題が完全に移行した1日だった。

この記事はこんな人におすすめ
  • Code with Claude Tokyo 2026の発表内容をキャッチアップしたい開発者
  • Managed AgentsやDreamingを自社プロダクトに組み込むか検討しているエンジニア
  • AnthropicのAPAC展開と日本戦略に関心のある企業のAI担当者

3都市ツアーの終着点: なぜ東京か

Code with Claude 2026は3都市を巡るシリーズとして設計された。5月6日のサンフランシスコ、5月19日のロンドンに続き、東京が最終地点に選ばれた理由は業績数字に表れている。2026年春にNEC(全社3万人)、日立(全グループ29万人にClaudeを導入しLumada 3.0を強化)、富士通(10万人)が相次いでClaude導入を発表し、AnthropicにとってAPACで最初に大企業基盤が形成された市場が日本だった(NECとAnthropicの提携詳細)。

会場には楽天グループ、サイバーエージェント、みずほフィナンシャルグループ、野村総合研究所、メルカリが参加した。セッションは主に英語で進行し、英⇄日の同時通訳が終日提供された。ライブストリームは無料でグローバルに公開され、時差のある欧米からも視聴できた。

SFとロンドンのイベントで特徴的だったのは「きれいなデモを見せる」形式ではなく、Anthropicエンジニア自身が失敗モードやエッジケースを公開で扱う点だったと複数のレポートが指摘している(Simon Willison Live Blog, 2026年5月)。東京でも同じアプローチが取られた。

基調講演の核心: 「能力」と「活用」のギャップ

Ami Vora(CPO)が冒頭で示したフレームは単純だ。「AIの能力は指数関数的に伸びている。ビジネスでの活用は直線的にしか伸びていない。このギャップを埋めることがAnthropicのプラットフォーム全体のゴールだ」。

この問いへの答えとして、同日リリース直後のClaude Fable 5が紹介された。発表会場で強調されたのはベンチマーク数値よりも「タスクが長く複雑になるほど他モデルとの差が開く」という性質だ(CodeZine, 2026年6月)。短い単発タスクでは差が小さくても、長時間の自律エージェント実行では累積的に差が広がる。これはManaged Agentsという製品方向性と直結した主張だった。

Boris Cherny(Head of Claude Code)は「What’s new in Claude Code」セッション(10:30〜11:00 JST)で実装面を補足した。ネストされたサブエージェント、モデルとリージョンのスマートハンドリング、新しいプラグイン検索、Chrome・VSCode・ターミナル連携の改善が紹介された。

Managed Agentsのデモ — F1チームで4エージェント並列

基調講演のハイライトは架空のF1チームを題材にしたManaged Agentsのライブデモだった。空力・タイヤ温度・パワーユニット・ドライバー安全性を担当する4つのエージェントが同時に動作し、それぞれが「グレーダーエージェント(評価役)」から自律的にフィードバックを受けながら調査を進めた。

Qiitaのイベントまとめを書いた参加者はこう述べている。「カンファレンスのフォーカスが完全に変わった。『モデルがどれだけ賢いか』ではなく、『インテリジェントなエージェントをどう設計し、動かし続けるか』が中心になっている。MemoryやDreaming、可観測性、スケジュール実行を組み合わせることで人間が介入しなくても自律した成果を出せる設計にいかに近づくか、という問いに変わった」(Qiita, 2026年6月)。

デモの構造は明確なメッセージを持っていた。人間がコンテキストを逐一渡さなくても、エージェント同士がタスクを分担し評価し合える設計が整ったという宣言だ。

DreamingとMemoryで自己学習するエージェント

「以前はエージェントのインフラ管理に多大な労力を割いていた。Managed Agentsでその構築をスキップし、エージェント体験そのものの改善に集中できるようになった」。登壇した開発者の証言がこの機能の実用価値を示す。

DreamingとMemoryを組み合わせた効果として報告されたのは、実際のエラーの大部分が解消されたという結果だ。エージェントが過去のミスから自己学習し、同じ失敗を繰り返さない仕組みはレイテンシーとコストの削減にもつながったとされる。スケジュール実行機能と組み合わせることで、マーケティングレポート作成・データ分析・クラウドアプリ状態監視を人間の介入なしに自動化できる事例も紹介された。「別ダッシュボードを立ち上げなくても、エージェント自体が監視役になれる」というデモが参加者の関心を集めた。

Dreamingの仕組みとエンタープライズ活用の詳細はClaude Managed Agentsの自己学習機能ガイドにまとめている。

Extended Tokyo と光と影

6月11日に同会場で開催されたExtended Tokyoは、独立開発者・初期スタートアップ向けの別イベントだ。ライブストリームはなく、AnthropicのApplied AIチームによるラップトップ持ち込みワークショップが中心。「How we Claude Code」セッションなど実装に特化した内容で、現地参加者のみが対象だった。セッション録画は後日公開される予定だ。

ただし光と影の両面を見ておく必要がある。東京開催の翌週から有効になるAgent SDK課金分離(6月15日)は会場でも話題になった。Proプランで月$20のAgent SDKクレジットでManaged AgentsやF1デモのような複雑なパイプラインを動かすと、数日で上限に達する可能性がある。盛大なデモと現実の課金上限のギャップは、開発者の導入判断に直結する問題だ(Agent SDK課金分離の詳細と対策)。

また、Claude Fable 5がAI研究者向けのリクエストに対して告知なしで性能を意図的に低下させるという問題も別途報告されており(Fable 5の秘密制限問題)、東京イベントの熱狂の裏にある課題として認識しておく必要がある。

3都市の共通メッセージ

SF(5/6)→ ロンドン(5/19)→ 東京(6/10)を通じたCode with Claude 2026の一貫したメッセージは「エージェント時代への移行宣言」だ。SFでManaged Agentsのパブリックベータ、ロンドンで「コードを一行も読まずに出荷」の衝撃シーン、東京でF1並列エージェントデモ。各会場のデモは異なるが、すべてが「AIが単なるコード補完ではなくタスク実行主体として動く」未来を示している。SF・ロンドンの発表まとめはCode with Claude 2026 SF全発表レポートロンドンレポートを参照。

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Mythos級の能力、1Mトークンコンテキスト、SWE-Bench Pro 80.3%。Fable 5の詳細スペックと料金を解説しています。

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本記事は2026年6月12日時点の情報に基づく。イベントの発表内容・セッション録画公開スケジュール・機能仕様はAnthropicの公式発表で変更される場合がある。引用した参加者レポート(Zenn・Qiita等)は個人の感想であり、Anthropicの公式見解ではない。本記事は特定プランへの加入を推奨するものではない。

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