鬼武者 Way of the Sword レビュー|21年ぶり新作の剣戟と限界
「21年待った甲斐があった」。ResetEraのレビュースレッドに投稿されたこのコメントは数百件の「いいね」を集めた(ResetEra, 2026年8月)。2005年の「鬼武者3 Demon Siege」以来、20年以上の空白を経てCapcomが放った「鬼武者 Way of the Sword」は、発売前のレビュー解禁でメタスコア86を記録し、シリーズ復活への期待を確かなものにした。
しかし全員が絶賛しているわけではない。Kotakuは「ボス戦は最高だが、雑魚戦のデザインが噛み合っていない」と指摘した(Kotaku, 2026年8月31日)。VGCは「復活した傑作だが、間違ったモダン要素を詰め込みすぎた」と評している(VGC, 2026年8月31日)。光と影、両方を持つゲームだ。
- 鬼武者シリーズのファンで、21年ぶりの新作が遊ぶ価値があるか知りたい人
- PS5・Switch 2・PCのどれで買うか迷っている人
- Sekiro/Nioh/Ghost of Tsushima 系のサムライアクションが好きな人
- 8,990円の投資価値を判断したい人
21年ぶりの復活。なぜ今「鬼武者」なのか
初代「鬼武者」が世に出たのは2001年。PS2初期の大作として当時のハードウェア性能を限界まで使い切り、日本的な和の美学と鬼退治というコンセプトで世界的にヒットした。シリーズは2005年の「鬼武者3 Demon Siege」まで続いたが、以後Capcomの優先度は「モンスターハンター」「バイオハザード」に移り、鬼武者は20年以上沈黙を続けた。
この空白を破ったのが「鬼武者 Way of the Sword」だ。4Gamerが「18年ぶりの新作」と報じた際(4Gamer, 2024年12月)、SNSでは驚きの声とともに「まさかCapcomが本気でやるとは」という反応が相次いだ。
舞台は戦国時代の日本。新主人公は腕利きの剣士で、鬼と人間が交差する世界を渡り歩く。前作主人公・明智光秀とのつながりはなく、完全新規の物語として独立している。Capcomが意識したのは現代のアクションゲーム市場だ。Sekiro、Nioh、Ghost of Tsushimaがサムライアクションの地位を確立した今、鬼武者ブランドで戦えるかが問われた。
日本での価格は8,990円(通常版)。デラックスエディションは9,990円、プレミアムデラックスエディションは10,990円となっている(PlayStation公式ブログ, 2026年8月7日)。プラットフォームはPS5・Xbox Series X|S・Nintendo Switch 2・PC(Steam)の4展開だ。
剣戟の完成度。ボス戦が本作の核心
本作を遊んで最初に驚くのは剣戟の応答性だ。攻撃・回避・弾き返しの3アクションを軸に、タイミング判定が厳格に設計されている。GamesRadarは「Sekiroほど難解ではないが、雑然さはなく、アクセスしやすい深みがある」と評した(GamesRadar, 2026年8月31日)。
特に評価が高いのがボス戦だ。各ボスには固有のパターンがあり、剣戟のリズムを読むことで攻略の糸口が見えてくる。NoisyPixelは「ボス戦のデザインは本作の白眉で、クリア後の達成感は格別」と述べている(NoisyPixel, 2026年8月31日)。GAME Watchの国内レビューも「これは傑作」と断言しており、剣戟アクションの完成度については国内外で評価が一致している(GAME Watch, 2026年9月)。
難易度設定も充実している。アクションが得意でないプレイヤー向けのアシストモードから、反射神経を要求するハードモードまで複数の難易度が用意されており、複数のレビュアーが「シリーズの中で最もとっつきやすい」と評している。ResetEraのあるユーザーは「アクションが苦手な友人にすすめたら、彼女がクリアできた最初のアクションゲームになった」とコメントしている(ResetEra, 2026年8月)。
影の部分。水増しとストーリーの薄さ
批判が集中するのは後半の構成だ。Kotakuは「8〜9時間を過ぎると新鮮さが失われ、同じボスの再戦が明らかな水増しに見えてくる」と指摘した(Kotaku, 2026年8月31日)。VGCも「第二章以降にコンテンツのリサイクルが多く、全体として数時間短く仕上げた方が引き締まった体験になったはず」と述べている。
Forbesは9/10の高評価をつけながら、「ゲームの方向性が稲垣的(Inagaki)であって黒澤的(Kurosawa)ではない」と表現した。つまり、古典的な時代劇の重厚さより、娯楽性とユーモアに比重が置かれているということだ(Forbes, 2026年8月31日)。これは批判ではなく方向性の説明だが、シリアスなサムライドラマを期待していたファンには肩透かしになる可能性がある。
雑魚戦の話もしておく。ボス戦が洗練されているのとは対照的に、通常の敵との戦闘はシステムの深みが発揮されにくい。剣戟の妙は1対1で輝くが、複数敵が入り乱れる場面ではその繊細さが薄れる。Kotakuが「コンバットシステムの強みが雑魚戦では活かされていない」と指摘した点は、複数の海外レビューが同様の見解を示している。
オープンワールド的な探索要素についても評価が割れている。自由度は高いが、フィールドのデザインが「モダンオープンワールドの悪癖をそのまま取り込んだ」という声もある。本作の強みは一本道の緊張感ある剣戟にあり、散漫な探索がその集中を削ぐ場面があるのは否定できない。
買うべきか。プラットフォーム別まとめ
- 発売日: 2026年9月4日(日本)
- 価格: 通常版 8,990円 / デラックス版 9,990円 / プレミアム 10,990円
- プラットフォーム: PS5・Xbox Series X|S・Nintendo Switch 2・PC(Steam)
- クリア時間: メインのみ約20時間、サイドコンテンツ込みで28〜34時間
- Metacritic: 86 / OpenCritic: 85
PS5版が最も動作が安定しており、4K/60fps環境を活かしたプレイが可能だ。Switch 2版については携帯プレイの利便性が強みで、グランブルーファンタジーリリンク Switch 2版やゼノブレイド2 Switch 2版と同様に、据え置き・携帯の両モードを行き来できる点が魅力だ。
剣戟アクションを純粋に楽しみたいなら本作は買いだ。ボス戦の質については、複数の媒体が「今年のアクションゲームで随一」と評価しており、20時間の凝縮されたコア体験は十分に値する。一方、後半の水増しやストーリーの薄さを許容できるかが判断の分かれ目になる。
ファイナルファンタジーX Switch 2版やオブリビオン Remastered Switch 2版と同様に、日本産(または日本文化をベースにした)タイトルが2026年に相次いで復活する流れの中で、鬼武者は「復活に成功した部類」に入る。
鬼武者 Way of the Sword をSteamで確認
PC版はSteamで取り扱い中。デモ版の有無やシステム要件を公式ページで確認できる。
まとめ
鬼武者 Way of the Swordは、20年以上の沈黙を経て「使えるシリーズ」として帰ってきた。剣戟アクションの完成度とボス戦の質は本物で、シリーズのブランドを損なわずに現代市場で戦えることを示した。一方で後半の水増しとストーリーの薄さは課題として残り、「傑作」より「確かな秀作」と表現する方が正確だ。
メタスコア86という評価はこのバランスを適切に示している。鬼武者ファンとサムライアクション好きには高い確率で刺さる一本で、2026年秋のゲームラインナップで優先度が高いタイトルの一つだ。
関連記事
- グランブルーファンタジー リリンク Switch 2版レビュー
- ゼノブレイド2 Nintendo Switch 2 Editionレビュー
- FF10 Switch 2版レビュー——25年前の名作は今も輝くか
- 2026年秋 Gamescomで発表された注目タイトルまとめ
免責事項
本記事は2026年8月31日時点で公開された海外レビューおよびPlayStation公式情報をもとに執筆しています。筆者による実機プレイに基づく記述ではなく、複数の海外・国内メディアのレビューを集約した内容です。実際のゲームプレイ体験は個人差があります。価格・仕様は予告なく変更される場合があります。掲載スコア(Metacritic・OpenCritic)は記事執筆時点のものです。