Enshrouded 1.0レビュー|3年の早期アクセスを経て化けたサバイバルRPG
「入院中の暇つぶしで始めたら2,198時間溶けた。退院後もまだ続けてる」
Steamのレビューにこう書き残したユーザーのコメントは、2026年10月の正式リリース直前に475人が「参考になった」と票を投じた(Steamユーザーレビューより)。 Enshroudedは2024年1月にEarly Accessを開始したドイツ産サバイバルRPGだ。Keen Gamesが開発し、この約3年間で8本の大型アップデートを経て、2026年10月15日にバージョン1.0として正式リリースされた。累計プレイヤー数は500万人を超えた(KitGuru, 2026年)。
PC版のメタスコアは88点。IGN France、GamingBolt、Virtualni Kutakはいずれも9/10を付けた(PlayNews, 2026年10月)。 数字だけ見れば傑作だ。ではなぜ「絶賛一色ではない」のか。光と影、両面を正直に書く。
- EnshroudedをEarly Access段階からウォッチしており、1.0で購入を判断したい人
- ValheimやPalworldが好きで、次の拠点サバイバルゲームを探している人
- PS5版の出来を知りたいコンソールゲーマー
3年間のEarly Accessで何が変わったか
2024年1月のEarly Access開始時点でのEnshroudedは「面白い骨格を持つ未完成品」だった。霧(Shroud)に覆われた世界で拠点を建て、呪われたダンジョンを攻略し、アンカーシャーという滅んだ文明の謎を解く。コアループ自体はすでに機能していた。しかし物語は途中で途切れ、一部のバイオームはスカスカで、戦闘システムは単調だとの声が多かった。
Keen Gamesはそこから8本の大型アップデートを通じて少しずつ世界を広げた。主な変更点を振り返ると:
- 戦闘の刷新:盾受けと回避の重みが増し、敵のAIが行動パターンの多様性を持つようになった
- マップの拡張:エンベルヴェールと呼ばれる世界地図がほぼ全体に描き込まれた
- スキルシステムの再設計:複数のクラスビルドが現実的に運用できる深さになった
- パフォーマンス改善:中低スペックPCでのシェーダーコンパイル速度が大幅に短縮された
1.0の直前アップデートで特に多くのユーザーが評価したのはAI改善だ。Steamのディスカッションには「ダンジョンボスが初めて「ちゃんと怖い」と感じた」という投稿が複数見られた。
1.0で完成した世界:Cinder’s Cradle(シンダーズ・クレイドル)
1.0最大の追加コンテンツは新バイオーム「Cinder’s Cradle(シンダーズ・クレイドル)」だ。空中に浮かぶ溶岩の島々が連なる地帯で、エンベルヴェールの地図の最後の空白を埋める。
このバイオームはただの新エリアではなく、現行ストーリーの結末を担うロケーションでもある。Early Accessを通じて断片的に語られてきたアンカーシャーの滅亡の真相が、ここで初めて語られる。ネタバレは避けるが、「3年待ったかいがあった」という声が多いのは、このラストシーケンスの密度に起因している。
一方で批評家からは「物語全体の語り口が拙い」という批判も繰り返し出た。IGN Franceは9/10を付けながらも「Narrative is weak compared to the gameplay systems(ゲームプレイシステムと比べてナラティブが弱い)」と明記している(iGameMag, 2026年10月)。
サバイバルゲームに深いストーリーを求める人には物足りないかもしれない。ただ今作を買う理由がストーリー目的の人は最初からいないだろう。Enshroudedは「世界を歩き回ること」と「基地を育てること」で成立するゲームだ。
PS5版の実態:60fps・クオリティ・PS5 Pro対応
PS5版は1.0と同時リリースされた初のコンソール版だ。モードは2つ選択できる。
パフォーマンスモード(60fps):大半のシーンで安定した60fpsを維持する。Shroudエリアに大量のエフェクトが重なる場面で若干のフレームドロップが確認されるものの、プレイに支障をきたすレベルではない。
クオリティモード(30fps):レゾリューションとライティングを優先。Shroud内部の霧のディテールと遠景の解像度が明確に向上する。長時間プレイで目が疲れにくい側面もある。
PS5 Pro対応:専用の60fps高画質モードが用意されており、PSSR 2.0によるアップスケーリングが適用される。PS5 Pro所持者にとっては最も快適な環境になる。
一つ注意点がある。1.0リリース直後にSteamで「DLSSがデフォルトでオンになっており、画面がボヤける」という報告が複数上がった(Steam Community, 2026年10月)。PS5版には関係しないが、PC版をプレイする場合は設定画面でアップスケーリングの設定を確認することを勧める。
マルチプレイと現時点の課題
Enshroudedのマルチプレイは最大16人(PS5は最大8人)のCo-opに対応する。世界とセーブデータは共有され、どのプレイヤーが建築を行っても全員に反映される。この設計はValheimを参考にしたとKeen Gamesが明言しており、「友人の基地に泊まってダンジョンを一緒に攻略する」という体験を重視したものだ。
ただし1.0リリース時点でクロスプレイは実装されていない。PC版プレイヤーとPS5版プレイヤーは同じセッションに入れない。Xbox版は2027年春予定であり、クロスプレイはそれ以降に段階的に対応予定とされているが、正式な時期は未発表だ(Keengamer, 2026年10月)。
友人と遊ぶ場合は事前にプラットフォームを合わせる必要がある。既存フレンドを誘う際は注意が必要だ。
もう一つのQOL課題として「スプリントがトグル式でなくホールド式のみ」という点が挙がっている。設定ファイルを直接書き換えることで変更できるが、オプション画面からは変更できない。Steamコミュニティでの要望が多く、今後のアップデートでの対応に期待がかかっている。
「Valheimの次に遊ぶゲーム」として機能するか
サバイバルゲームの購入判断で最も参考になるのは「どんなゲームが好きなプレイヤーに合うか」という比較だ。
Enshroudedが「刺さる」タイプのプレイヤー:
- 拠点建築が好きな人:ボクセルベースの建築システムは自由度が高く、設計の凝り方が無制限に近い
- ダンジョン探索と戦利品収集が好きな人:Shroudダンジョンは1.0で難易度とリワードのバランスが整理された
- カスタムモードでペースを制御したい人:カスタムゲームモードにより、リソース増加や敵の強さを細かく調整できる
Enshroudedが「合わない」タイプ:
- 深いメインストーリーを求める人:ナラティブは薄い
- アクション戦闘のキレを求める人:戦闘はSoulslikeほどシャープではない
- 友人とPS5↔PCを跨いで遊びたい人:クロスプレイ未対応
Valheimと比較すると、Enshroudedは「ビルドの自由度が高く、ロールプレイ要素が強い」と表現できる。Valheimが北欧神話の世界を渡り歩く「探索体験」に重きを置くのに対し、Enshroudedは「世界に居座って街を作る」体験に重きを置く設計になっている。
3年待ったEarly Accessの卒業作品として、Enshrouded 1.0は及第点以上の完成度を示した。Perfect Gamesとは言えないが、メタスコア88点は自分のプレイ体験と合致する評価だと感じた。
- 開発・発売: Keen Games(ドイツ)
- ジャンル: サバイバルアクションRPG
- リリース日: 2026年10月15日(PC・PS5)
- Xbox Series X|S: 2027年春予定
- 価格: 3,999円前後($39.99)
- マルチプレイ: PC最大16人 / PS5最大8人(クロスプレイ未対応)
- PC版メタスコア: 88点(2026年10月時点)
- Steam評価: Very Positive(86%ポジティブ、109,000件超)
EnshroudedはSteamおよびPlayStation Storeで購入できる。リリース記念の10%割引は期間限定。ValheimやPalworld系のサバイバルゲームが好きなら、Shroudの中を歩く感覚は確実に刺さる。
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本記事の情報は2026年10月26日時点のものです。ゲームの内容・価格・評価は変更される場合があります。購入前には各プラットフォームの公式情報を必ずご確認ください。